Folk,Blues and...

僕の好きな音楽その他です。


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このページでは少し堅苦しく思っている方も多いかもわかりませんが『イタリアン・ルネサンス』音楽とそれに続く『バロック』音楽についてです。


非常に古い楽譜の書法(ネウマ)ひとり悦に入っている変な服着た人大昔のアイドル・グループメンチ切りながらのチューニングする人


イタリアン・ルネサンス音楽”や“バロック音楽”と呼ぶジャンルの“イタリアン・ルネサンス”の“イタリアン”は現在のイタリア国でなくて小さな国の集まった“イタリア半島”の事です。
当時この地域は都市国家で小さな国の集まった地域です。有名な「フェレンツェ」と「ベネチア」は共和国、ローマは「ローマ教皇領主国」、「ミラノ」は公爵の領主国家、
「ナポリ」はスペイン支配のナポリ王が君臨した「ナポリ王国」…などの様々な体制の国の集まった地域“イタリア半島”のこの地域から「ルネサンス」運動が生まれました。


でも、“ルネサンス”と言う言葉の意味は? そして“バロック音楽”の“バロック”とは? それに何気なく使う“クラシック音楽”の意味とこれらの音楽の違いは?
“古典派”“ロマンス派”て?…
など僕は音楽の専門学校などで正式な教育を一度も受けた事がないので知らないことばかりでした。 
もちろんこういった言葉の意味を知らなくても音楽は楽しめますが「ルネサンス音楽やバロックが好きで、その時代の曲も弾いています」と口に出して言うからには最低限の知識位は
持っておきたい気持ちになり、いろいろと本を読んだりネットで検索しているうちに輪郭は見えて来ました。 
もちろん間違って覚えている箇所、勘違いしているところもある思いますが、ここではこの僕の好物な古式豊かな音楽について少し書いています。

(あ、つまり間違って書いているかもわかりませんがお許しを…と、いい訳ですので)


古楽譜

「ルネサンス音楽」や「バロック音楽」と呼ぶ名称ですが、あくまでも音楽史においての便宜上そう呼んでいるだけで、近年は『Early Music/アーリー・ミュージック』つまり「初期音楽」という言い方が多くなって来ました。この「ルネサンス」の意味は「人間性の復活」を掲げた当時の芸術や文化を中心とした社会運動の事です。14世紀のヨーロッパは国同士の相次ぐ領土の奪い合い、宗教戦争、ペストなどの流行病がヨーロッパ全土に蔓延しており、貧富の差、社会の混乱…などで人々の活気はなく絶望感溢れる暗く、そして教会が力を持っていた時代でした。この時代の宗教は一神宗教の「キリスト教」が全土を支配し「現世でどれだけ苦しくとも来世では救われる…」の教えが中心で貧しい市民(と言うか全ての市民は貧しく生きていたのですが)にとっては毎日が苦しい生活をおくるしかありませんでした。しかし詩人ダンテを中心とした芸術家や博識を持つ知識階層のグループから「古代ギリシャ・ローマ時代の人達は毎日を活き活きと暮らし、絵画、彫刻などの芸術分野においてもダイナミックで、人間を謳歌していた時代。その人間性を復活、復興しようではないか!」つまり神を中心とした世を人間中心にした時代に復活させよう!…とする運動を「ルネサンス」と呼び、もちろん当時に使われていた言葉です。やがてイタリア半島から始まったこの運動はヨーロッパ全土に広がり次のバロック時代へと移り変わって行きます。

     つまり“人間謳歌”の時代の始まりで
『古代』(古代ギリシャ・ローマ時代)−『中世』(キリスト教のヨーロッパ支配)−『ルネサンス時代』−『バロック時代』〜…となります。

と、長々と「ルネサンス」の意味を書きましたが、実はこの運動に音楽はあまり関係はありません。もちろん一つ前の時代の音楽から変化はしてきますが、この人間性復興の「ルネサンス」運動とは直接の関係はなかったようです。 その理由のひとつには、現在使われている「楽譜」の書き方がまだまだ未発達で絵画や彫刻のように目に見える作品として残っていない…からなのでは、と勝手に解釈しています。でも、それまでの旧態依然のこの時代に生きた人間のモノの考えた方がこのルネサンス運動よって変化してきたわけですから、音楽が全く影響がなかったのか、となるとそうとも言い切れないとも思います。

とにかく「ルネサンス音楽」が当時に起こったルネサンス運動の影響があろうとなかろうと僕にとってはどちらでも良く、このあとに続くバロック音楽同様に大好物なジャンルでございます。

ルネサンス・リュートを弾く人

で、ここで“この曲は良いですよ!聴いて下さい!”と前ページのようにCDの紹介はどうも難しいです。モーツアルトやベートーヴェンのように有名な代表曲やカラヤンやフルトヴェングラーのような世界的な名指揮者などのCDがあればそれを載せればよいのですが、僕が弾いているこの時代の曲を楽譜でしか持っていないので推薦CDはありません。と、言ってもCDは膨大な数が出ています。それにほとんどの曲の作曲者は「不詳」と記されているものが多く、ようするに誰の作った曲かわからない、ものが多いのです。作曲者の名前が出て来るのも実はこのルネサンス時代の中期以降からです。と言うのも、この時代に印刷の技術が生まれ「印刷された楽譜」が世の中に出て来る時代でもあるのです。しかし、一般の人々が楽譜はおろか識字率も非常に低かった時代だったので、楽譜を書いたり読める人はかなり知識階級の上の人間のはずです。このルネサンス時代は大きく分けて「初期」「中期」「後期」と区分されて「中期」から「後期」あたりでそろそろ音楽家の名前も出てきたのではと思われます。そして次に来る「バロック」時代であのバッハ、ヴィヴァルディなどの大音楽家が現われます。ここらになるとCDも多く出ているし聴く事は大変容易になります。この「バロック音楽」の「バロック」の意味は「大袈裟な」「装飾過多」「たいそうな」等蔑称的な意味合いも含まれています。これはルネサンス後期の絵画がそれまでの色使いより派手になり、また建築なども様式美でゴタゴタした過度の装飾が流行(?)していたからです。音楽には一見関係がないようですが、音楽においてもこの頃に「装飾音」の使い方も技巧が施されるようになり、そう簡単には演奏出来ない曲も多くなります。しかしこのバロック音楽とルネサンス音楽との決定的な違いは「通奏低音」の音楽的書法の誕生です。今で言うところの「ベース」「和音/コード」に繋がる変化する低い音が、今までメロディがひとつだった音楽に加わったのです。音楽史の研究者学中には「バロック音楽」とは「通奏低音の時代」と唱える人学者もいます。バロック時代は一応「バッハの生存していた時代」を指し、この後にハイドン、モーツアルト、ベートーヴェン等の大音楽家だ次々と現われ交響楽が音楽の華となるのですが、このような音楽をギター1本で演奏するのはやはり似合いませんが、ルネサンス〜バロック期の音楽は充分、ギター1本で演奏可能な曲が多くあります。ただしこの時代にギターはまだ生まれていない楽器ですので出版等で入手出来る楽譜は全てアレンジを施されているもので、とくに右の画にある『リュート』と呼ぶ弦楽器で演奏される曲はギター用にアレンジされているのが一番多く名曲も多く、リュート奏者で宮廷音楽家の“ジョン・ダウランド”の曲の愛好家は多くいます。ちなみにこのリュートと呼ぶ弦楽器は「ルネサンス・リュート」「バロック・リュート」と弦の数も形状も数種類あります。


各時代のおよその年代は『古代』〜『中世』〜『ルネサンス時代(およそ1400年〜)』〜『バロック時代(およそ1600年〜)』となりますが、ルネサンスの提唱はすでに12世紀頃からあったと思われています。僕のレッスンにもこういった時代の曲を積極的に取り入れています。

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